医師会だより

広報淡路2008年02月号掲載記事

広報淡路2008年2月号今、日本の女性の20~25人に1人が乳がんにかかると言われています。
亡くなる人は、年々増加し、今では年間約1万人です。乳がんは女性の壮年層(30歳代~40歳代)のがん死亡原因のトップとなっているにもかかわらず、無関心な人が多いのが現状です。

  1. 乳がんとは?
    乳がんとは、乳腺に発生する悪性腫瘍のことを言い、近年我が国では増加の傾向にある病気です。
    乳がんの発生は30歳から急増し、50歳前後にそのピークがあります。成人女性に多く、男性には、稀な疾患で、全乳がんのおよそ1%で、女性に比べて予後不良です。
    それに対し、女性の早期乳がんなら、約90%の人が治ります。残念ながら、現在乳がんの予防法はありません。
  2. 初期症状と乳がん患者の主訴は?
    1. 乳頭にみられる症状
      pajet(ペイジェット)病変、異常分泌、その他(びらん、掻痒、乳頭形態異常)
    2. 皮膚にみられる症状
      皮膚陥凹、えくぼ症状、その他(皮膚膨隆、ポインティング症状)
    3. 患者の主訴(慶応義塾大学 医学部 池田 正先生のデータ)
      ①無症状3.8% ②腫瘤 89.0% ③疼痛 2.1% ④血性乳頭分泌 1.9%
      ⑤白色乳頭分泌 0.5% ⑥漿液性乳頭分泌 0.5% ⑦しこり感 0.0%
      ⑧その他 2.2%    計100%

    乳がんは初期のうち無症状です。

    ①乳房にしこりがある。②乳房にひきつれ、くぼみがある。③乳頭からの分泌物がでる。④乳頭が陥没したり、ただれや変形がある。⑤ワキの下にグリグリがある。

  3. 以上のうちひとつでもあれば、要注意です。専門医の診察を受けましょう。乳がんの発見するきっかけとなる症状の90%は、腫瘤(しこり)です。痛みは原則としてありません。

  4. 乳がんの危険因子は?
    ①年齢が40歳以上である。②未婚の方、30歳以上で出産経験がない。③初産の年が30歳以上である。④閉経が55歳以上だった。⑤50歳以上で、標準体重より50%を超える肥満の方。⑥血縁者に乳がんになった人がいる。⑦良性の乳腺疾患になった事がある。⑧乳がんになったことがある。

    以上1つよりも複数に当てはまる場合、より高危険因子群です。女性は、20歳以降、一生乳がん発生の危険があります。更なる早期発見のために30歳になれば、自己検診、40歳になればマンモグラフィー検査、超音波検査を組み合わせた乳がん検診を1年に1度、怖がらずに受けるようにしましょう。
    男性も乳がんがあり、50歳以上は特に注意をしましょう。

最後に乳がんは、早期発見であれば恐ろしい病気ではありません。
高危険因子群の人はもちろん、一般の人も勇気を持って、40歳といわずできるだけ早く乳がん検診を受けましょう。